第13章 何代にもわたって積み重ねた福分

「どうした? 黒谷夫人、照れて言えないのか? なら罰として一杯な」

場の空気がひやりと固まりかけたところで、川原が慌てて笑いを作った。

「まあまあ、皆さん。今日は楽しくいきましょう」

南坂海乃はようやく顔を上げ、唇をわずかに動かす。

「この人、あまりお酒が強くないんです。飲みすぎると、つい余計なことを……」

言い切る前に、黒谷優が口を挟んだ。

海乃の手からグラスを奪い取り、半分残っていた酒をあおる。

喉を焼くような辛さが落ちていく。それでも胸の奥の苛立ちは消えなかった。

「皆さん、すみません。うちの妻はちょっと恥ずかしがりでして。昔のことは、俺が追いかけて手に入れたんですよ。...

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